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What is All-You-Can-Eat Press

photo by All-You-Can-Eat Press

皆さんは”食べる”ことは好きですか?
勿論、美味しさの基準なんて千差万別ですし、その人にとってのご馳走というものは、人それぞれ異なります。
当然それは”ファッション”に関してもしかり。
ただ重要なのが、食にせよファッションにせよ、他人に勧められるままに惰性でチョイスするのではなく、自分が本当に食べたいもの、好きなものをチョイスするのが、その人なりのスタイルとなるのではないでしょうか。

そんな確固たるスタイルを貫き、NYのBrooklynを拠点として活動しているのがAll-You-Can-Eat-Pressです。
All-You-Can-Eat Pressの作ったZineには自分たちの”食”に対するこだわりと、ポップで都会的なセンスが詰まっており、今やNYだけでなく東京でも大きな注目を集めています。

今回は、All-You-Can-Eat Pressの発起人でもあり、ライターとしても活躍しているYuki Matsuo氏に、All-You-Can-Eat Pressとはいったい何なのか、
じっくりと話しを伺いました。



STADIUM「All-You-Can-Eat Pressのバックグラウンドを教えて下さい。いつ、どのような形で成立したのですか?」

Yuki Matsuo「2012年6月にグラフィックデザイナーのJim Datz, エディターのNaomi Reis、そして私の3人で立ち上げました。私は、日本で雑貨やインテリアのスタイリストとして活動をした後、2001年に渡米しました。2005年、SohoにオープンしたデザインショップKIOSKの立ち上げから約8年間に渡りスタッフとして携わりました。
また、親しい友人でもあるシルクスクリーンプリント・アーティストRoss Menuezが手掛けるSalvor Projects.をフリーランスで8年ほど手伝っていました。その傍ら、私が興味を持っているフード、カルチャー、デザイン等について日本の雑誌で記事を書かせて頂くようになり、趣味でつけていた食べ歩き日記を、2005年にソニー・マガジンズより『世界の台所 ニューヨークを食べ、歩く』という本として出版させて頂きました。
それが大きなきっかけとなり、”食”へと傾倒していくようになります。
この本がきっかけでSwedenにあるi-phone appなどを制作している会社から声をかけて頂き、NYの食べ歩きapp「Yuki Eats New York」を共同制作しました。
しかし、このappを作った経験から、改めて”紙”であり印刷物へのこだわりが強く芽生えることになりました。当初、ドーナッツの本を作りたくて企画書をいくつかの出版社に持ち込みましたが、本のセールスが低迷している今、どこの出版社も無名の著者の本を出版したいと言ってくれるわけもなく、だったら自分で出版するしかないと、自費出版に踏み切ったのがAll-You-Can-Eat Pressを立ち上げたきっかけです」


STADIUM「All-You-Can-Eat Pressの主な活動内容はどういったものですか?」

Yuki Matsuo「現在、NYのフードマップシリーズの自費出版、それをホールセールと
我々のweb-shopで販売しています」

STADIUM「All-You-Can-Eat Pressのモットーはなんですか?」

Yuki Matsuo「一食入魂。だと思っています。一食一食、意思を持って選んで食べる。
たとえばそれがマックのハンバーガーでもいいんですが、今日はどうしてもマックのフィレオフィッシュの気分だ! と言う自分の意志で選んで食べるということ。
時間がなくてたまたま通りがかりのマックで済ませる、ということじゃなくて」

STADIUM「『Doughnut Map』には、ドーナッツの歴史などを紐解く啓蒙的な一面がありながら、全体的には読者をワクワクさせるような楽しさが溢れていて、作り手が楽しみながらMAPを作っている様な雰囲気を感じました。 どのような切っ掛けでこの”MAP”のシリーズを製作しだしたのですか?」

Yuki Matsuo「All-You-Can-Eat Pressでフューチャーしているものは、個人的に私が大好きなものです。例えばドーナッツが好きだったら自然と湧く、なんで穴があいてるんだろう?
誰が開けようと思ったんだろう?そんな疑問を突き詰めていったら面白い歴史に辿り着いていました。ドーナッツ好きの人なら、絶対に興味をもってくれる!それをシェアしたかっただけです。正直言って、マップというフォーマットに辿り着いたのは偶然の産物でした。本当は本を作りたかったのですが、自費出版できるだけの軍資金も販売ルートもなく、また、まるまる1冊を一人で作るだけの自信もありませんでした。まずは、自分の身の丈にあったサイズでできることをやろう、その時に思いついたのがappの真対局にある紙の地図でした。最初に漠然としたイメージとして画いていたのは、ポストカードと本の中間、雑貨と出版物の中間、情報と読み物の中間・・・
それが地図だった、というわけです」

photo by Hidemi Takagi




STADIUM「『Doughnut Map』のリリース時にはLaunch Partyも行われたとのことですが、それはどのようなものだったのですか?」

Yuki Matsuo「当初、Launch Partyのようなものは特に予定していなかったのですが、公私共に親しくさせて頂いている”Project No.8”(NYを代表するコンセプトSHOP)のオーナーElizabeth & Brianが、マップの出版もだけれど、All-You-Can-Eat Pressの新しい門出を是非お祝いしましょうとスポンサーを名乗りでて下さり、Ace Hotelに入っているProject No.8のショップで開かせて頂くことになりました。
実は、Project No.8は私の初の著書「百聞は一口に如かず ニューヨークを食べ、歩く」をアメリカで一番最初に置いて下さったショップでもあり、これまで本当にいろんな意味で全面的にサポートして下さってきました。NYでの人気知名度共に高いProject no.8がスポンサーになってくださったこと、また、会場がAce Hotelということもあり、更にたくさんの方々からスポンサーを頂くことになりました。パーティーで配ったドーナッツ500ヶは全て、マップで紹介したドーナッツショップからの寄付を頂き、コーヒーはStomp town Coffee、ウィスキーはCaledonia Spirit & Wineryからご提供頂きました。また、イベントのPRもProject No.8のPRチームが全面的に協力してくださり、おかげさまで500名を超えるドーナッツファンの方が集まってくださり、Ace Hotelの周りをぐるりと囲んで1ブロックの大行列ができました。これには、私たち自身が一番驚き、ドーナッツの人気であり、Project No.8の人気を再確認しました。またこの時の行列とパーティーの模様が、instagramやtwitterで更に多くの方へ広げて頂くことになり、本当にこれ以上のない最高のカタチで、ドーナッツマップのリリースとAll-You-Can-Eat Pressの門出をたくさんの方にお祝いして頂きました」

STADIUM「抽象的な質問になってしまうのですが、”食べる”ということをどのようにお考えですか?近年日本では、料理研究家の福田理香さんの『ゴロツキはいつも食卓を襲う - フード理論とステレオタイプフード50』や、ライターの速水健朗さんの『ラーメンと愛国』『フード左翼とフード右翼 -食で分断される日本人』といった、”食”を通して映画作品を読み解いたり、社会を考察してみたりという本がリリースされていて、”食”語りが小さなムーブメントになりそうな空気があるのですが」

Yuki Matuo「私は食べることは大好きですが、食通でもなければグルメでは全くありません。食とはカルチャーだと思っています。特にNYに暮らすということは、自分を含め様々なナショナリティーの人がこの町に移り住んでいて、様々な人種、宗教、そして文化が交差しています。その中でも”食”というのは、それぞれの人にとっての揺るぎないアイデンティティーだと思います。だから、食に興味があるというよりも人に興味があるのかもしれません」

STADIUM「NYに初めて行くという人達にお勧めのお店を教えてください!」

Yuki Matuso「せっかくなら、ローカル度の高いお店で、その場所の雰囲気と味を味わって欲しいです。朝食なら、思い切りローカルなダイナーでbreakfastを取るのもいいし
ランチなら、行列のできてるカート(屋台)で買って、公園やパブリックスペースで食べてみるのもあり。ドリンクなら、古い歴史あるバーに行ってみるのもいい。
夕食は、食べたい料理の気分によって、それぞれのコミュニティー(エリア)を訪れて一番混んでそうなお店に入ると間違いないと思います」

STADIUM 「今後All-You-Can-Eat-Pressとして、どのような活動をしていこうと考えていますか?」

Yuki Matsuo「NY以外にも、もっと他の都市や他の国に暮らす食に興味のある方達といろんなマップを一緒に作ってみたいです。それから、マップというフォーマットにこだわらずもっと様々な印刷物にも挑戦してみたいです」